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2023年12月19日 (火)

雪の怨念

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 今日の夕方、もう既定路線になっていたとはいえ、Jリーグのシーズン移行案が正式に決定したというニュースが流れてきました。
 先日、各チームの代表者による議決があって体勢が決まったときの新潟日報のニュース
 https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/328247
 では、シーズン中にもかかわらず大雪で埋まったアルビレックス新潟の本拠地、ビッグスワンの写真が載せられていて、そのときあらためて気がついたのは「この件は雪国在住者の神経を逆なでする進め方だったから、必要以上にサポーターは感情的になったのだな」ということ。

 雪は、たのしくて、美しいものです。雪の時期はカニやぶりもおいしいし、スキーもできるし、かまくらで甘酒を楽しんだりもできる。雪があるからこその文化を楽しんでください。僕らはそういって雪のない地域の人たちを招き入れている。
 雪は、毎日ずっと降って完全に僕らを閉じ込めてしまうものではないけれど、ある日突然大暴れして僕らの予定をめちゃくちゃにしてしまうものでもあります。僕らは「ある日突然大雪が降ったらいろんなことを諦める」ことを前提として冬は暮らしている。準備があり、時に「あきらめる」ことを覚悟しているからこそ冬を過ごすことができる。だから、たとえば成人の日の頃の関東の小雪での大混乱をつい嗤ってしまうのは、連中が「準備もしてないくせに、雪なのに諦めない」からだったりもするわけです。

 結局のところ、Jリーグの移行計画は、今のシーズンオフとほぼおなじ期間をシーズン休止するというプランで進んでいるようで、少なくとも「今より降雪期間の観戦が増える」わけではないようです。選手の準備や練習という意味では「新潟で練習しにくい時期がある」ことをどうするかという問題はあるけれど、どちらかというと本質的な問題はより過密日程化するなど、ほかの面にあるようにも思えます。

 でも、議論は「雪」をめぐるものがもっとも激しかった。
 これは、日頃招き入れているひとたちに対して雪のいいところだけ見せてきながらも、招き入れる人たちが言う「雪ちょろいじゃん」に対しては強い違和感を感じていた人たちが、堂々と「雪ちょろいじゃん」と言われて許せなかった。そういうことなのかもしれないな、と。

 たぶん、ひとは経験していないことは想像はできても本質的にはわからないもの。だからわかり合うためにはいろんな工夫や妥協が必要なのだけれど、今回の件ではたぶん、感情的な部分で対立を大きく作ってしまったのだと思います。

 それだけ「雪」への愛憎取り混ぜた気持ちは、強いのだな、と。
 今回の件は、自分の中の「雪」の捉え方も含めて、いろいろと考えることがあったな。あらためてそう思うのです。

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