直前のイメージ
いつもは「もうじきだな、あと数日だな」と胸ときめくこの時期の桜。
でも今日はふと、「満開でものすごくきれいな風景より、曇り空の下の、少し咲いていてあとはつぼみのこの暗い感じが、今の季節には似合っているのかもしれないなあ」と思う。
たとえば、青空で満開で桜吹雪で「素敵だよねえ」という風景を撮れば、やっぱりそこには行ってみたくなるものね。
でも、今の状況は、結局の所「ひとに会うな、集まるな、近づくな、熱を入れて話すな」ということ。接触がなければ、他人にはうつらない。だからその接触をいかにして最小限にするかという努力と、長くてしんどい冬を終えて「さあ、春が来たぞ!」と桜を愛でる気分は、正直なところ相性はよくない。
だから、この曇り空の下の咲ききらない感じ、まるでポップコーンをフライパンで煎っていて、まだ一つか二つはじけただけみたいなこの感じは、案外と今のこの閉塞感あふれる状況に、どこか似合っているのかもしれません。
とはいえ。
風が通り抜けるところで、わんさか集わなければかえって室内密集よりも、「三密」ではないはず。自分だけが知っている素敵な場所に、他人が入り込まない自家用車で出かけて、ひとりで眺めるなんてことは、たぶん田舎町に住むひとならではのことのはず。
密集地に住まないからこそ、この状況でもほんの少しは、息つく日々を過ごすことができる・・・のかもしれないですよ。
ひとに迷惑をかけない、桜のめでかたを工夫しなきゃ。
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