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2019年9月10日 (火)

写真を撮る人

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 昼間、そろそろ日が傾き出す頃の今井不動滝にて。
 若い子が二人、三脚抱えていろんなアングルから不動滝を撮影していました。
 いいなあ、なんだか楽しそう。いろんなことを考えて、いろんなことを試している彼らを眺めて、僕は滝の近くにいくのをやめて、彼らがいる滝の写真を数枚撮りました。

 これからの季節、たとえば小谷の鎌池のような紅葉の名所では、対岸でカメラを構えるひとに対して「どけーー!」と叫ぶカメラマンが出没するようになります。確かに、自然は美しい。でもさ、自然の美しさは自分の手柄ではないわけで、そこを写し止めても、ほとんどの場合撮り手の手柄ではないわけです。もちろん、撮り手の工夫と訪れたマジックで、その人がそのときしか撮れないものが残ることだって当然あるのだけれど。

 ならば、名所で人とか人工的構造物とか、そういうものをできるだけ排除した写真を撮るよりは、そういうものと共存して、あるがままの「!」を写し止めていくほうが、ずっと健全だなと、僕は思ってしまうのです。

 そんなわけで、電線を入れるのが好き、見事な植物の写真に手すりを縁取りのように入れたりするのも好きなワタクシの写真は、あんまり褒めて貰うことはないものなのだけれど、それでもなお、そこを愛でているひとに対岸から「どけー」と叫ぶような、無残な輩にはならないようにしたいと思うワタクシなのです。

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