昨日は、地元のお酒のおいしさを発信しながらも、その実は「みんなでもっと楽しもう」というもくろみの「糸魚川 五醸の会」の勉強会と称する呑み会にいってきました。
あきあがりとか、ひやおろしとか、そんな名前でこの時期に出てくるお酒を、この時期のおいしいものにあわせて楽しもうという趣向。
10人ちょっとの少人数ならではの、案外とミもフタもない話。蔵元の方が4人も来られていて、それぞれの蔵の「ひやおろし」がどんなお酒なのかということをいろいろはなしてくれたのだけれど、僕はお酒が進むうちにはじまった、蔵元さん同士のお酒についてのいろんな話を聞いているだけで、なんだかとってもトクした気分になってしまいました。
それにしても。
この日の「おいしいもの」は、さっぱりしたものから濃厚なものまでいろいろあったのだけれど、それに5つの蔵のお酒を常温とお燗でいただいて。あわせたときの「へえ」はあっても、致命的に「これとこれは、あわないよなあ」がない。日本酒を呑んでいるときはいつも思うことなのだけれど、けっこうなにとあわせてもどうにかなる。そんな「食事にあわせるお酒」なのだなあ。
この日も、ついでいただいたらそのうちどれがどれだかわからなくなるので、箸袋にメモして(なにせ一応は「勉強会」なので)いただいてましたが、たとえば「加賀の井のひやおろしと角煮の組合せが~」とか、そういう感想を持つことはなく、「なんだかいろんな組合せがあったけど、みんなおいしかったなあ、ニコニコ」と、いつも通りの状態になってしまいました。
この日は、謙信の蔵元として同級生のIくんも来てくれていたのだけれど、あらためてそういうウチの子じゃなくてよかったなあとも思う。なにせ、味を利きわけて仕込みを考えたりあわせるゴハンを考えたりするための「官能力」がないとできない仕事。僕はそこは求められないから、ただただにこにこして「おいしいねえ」とだけ言ってればいいわけで(笑)。
酒蔵のみなさんが誠実な仕事をしてくれているから、僕はそんなわけでこれからも違いのわからないニコニコのままなんだろうなあと、そんなことを思いながらの夜なのでした。
たまにはいいね、こういうの。
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