小学校の頃、僕が住んでいる場所は「青海町」。
日曜日、バスにのって姫川を渡り、「糸魚川」にいくのは胸躍るイベントでした。アキヤマ、ヤマシタ、小八木と3軒並ぶデパート。吹き抜けで2Fにあがるエスカレーターなんてものに初遭遇したのは確か小八木だし、ヤマシタ最上階の「ヤマシタソフト」はホント楽しみだったなあ。
そして、おなじくアキヤマ最上階にあった食堂で、コップに浸したスプーンと一緒に出てくるグリーンピースの乗ったカレーもすごいごちそうだった記憶があります。そもそも滅多に外食なんてしなかった頃。三井食堂からの出前のなんてことないラーメンに「わーい」と小躍りするような小学生だった頃のお話です。
さて。
今朝の糸魚川タイムスの一面で久しぶりに「アキヤマ」の文字を見ました。
ノーベル医学生理学賞を受賞された大村智北里大特別栄誉教授の亡くなった奥様は、糸魚川出身でアキヤマデパートを経営されていたお宅の方なんだとか。ノーベル賞を取るひとがかつて何度も糸魚川に訪れていたという接点は、たとえば市内で「将来学者になりたい!」と思っている子たちに、なにかいい刺激を与えてくれるんじゃないかなあ。
嬉しいけれども接点のないニュースだと思っていたら、地元紙の一面で一気に身近になるというのは、田舎もんまるだしだけれどうれしいもんですね。あらためて受賞おめでとうございます。
それにしても、あの「屋上移動遊園地」とかで狂喜乱舞していたあの時代。都市と田舎が遠くて、都市的なものに「!」をいちいち感じていたあの感じは、場合によってはすごくゼイタクだったのかもしれないなと、そんなことを思い返してみたりもします。小さい頃は、もっと世間は狭くてもいいんじゃないのかなあ。そして、それが次第に(自分のスキルにあわせて)広がっていく。そういうどんどん世界がひろがる感じを体験できるのも、贅沢だったんじゃないか。
ふとそんなことを思い返したりもするワタクシなのです。
最近のコメント