ヒノマル写真
写真を撮っていると、「これはやめたほうがいいよ」と教えられることがいくつもあります。
それはたとえば「電線の入った空」であったり「アタマに串刺しになっているように見える電柱や棒状のモノ」であったり、主な被写体の大きさや位置であったり。
たとえば僕は、姫川漁港の壁につたう蔦の大木は、その上の手すりまで入れることで「こんなところでも育ってる」と伝わるのだから絶対に手すりは削れないと思って毎回撮っているのだけれど、それはたいていの場合センセイには叱られちゃう。数年前の市展では「これがあったので落とした」と言われたことも(笑)。
でも、そういう写真撮り特有のお約束というのは、ある意味「カラオケでぐるんぐるんまわるコブシ」のようなものだなあと感じることも多い。なにも考えないでコドモを撮るおかあさんの写真のほうがずっと「!」で、ヘンに写真をかじってるオヤジのコドモ写真がつまらないなんてのはよくあることで、技法ってのはやりたいことのための手段ではあっても、それを満たしていなければいけない「目的」ではないはずなのです。
というわけで、時々、リハビリのように「今日はヒノマル写真しか撮らない」と思ってそういう写真ばかり撮っていた時期もありました。すると、それが案外と楽しい。
お約束というのは、ベタすぎるとみんな笑ってしまう。でも、お約束がお約束なのは、それが限りなく「!」のツボに近い場所にあるからでもあって、そこをどれくらいずらすのかがきっと表現するひとの勘所として大事なのだと思う。
僕はそういう「勘所」とか「塩梅」がわからないヒトなので、さしあたり昨晩も「ヒノマル」をやってみていると、そういうわけなのです。
さて、GWも中盤。楽しんで、ついでに写真も撮らなきゃ。糸魚川には素敵なヒノマル写真の被写体もたくさんあります。たくさんのみなさんのお越しをお待ちしております。
(その前に仕事を片付けなきゃ...)。
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