ひとのふりみて・・・
12/31付朝日新聞のテレビ欄では、「ウォッチ」で、田玉恵美記者のこんなコラムが掲載されていました。
今年は出ない小林幸子の衣装のように、紅白は年々仰々しくなっていく。団体さんの出場者が多いし、放送時間も歴代最長タイ。宣伝にも必死だ。28日は「あさイチ」が直前特集をやり、夜9時のニュース番組にまで紅組司会の堀北真希が登場して驚いた。
本番ではMISIAがアフリカから生中継で歌うほか、矢沢永吉も3年ぶりのお出ましとなる。いずれも出場歌手リストに載っておらず、どのタイミングで出るのかも未発表の「特別出演」。コネ入社みたいでちょっと気になるが、こんな仕掛けでもないと名物番組の求心力を保てないということか。そのうち宇宙からの中継とかやるかもね。
と、ああだこうだ言いながら紅白を見るのがニッポンの大みそか。みなさん、よいお年を。
僕は、この記事を田玉記者は真顔で書いたのか、恥ずかしさに耐えながら書いたのか、それとも「紅白の一味」として宣伝のための書いたのか、それがとても興味があります。
だって、朝日はおなじテレビ欄で、昨日まで紅白総合司会の有働由美子アナウンサーが一週間続くエッセイの欄に登場していて、その中でさんざん紅白のことを書いていたばかり。一年間続くコーナーの最後に有働さんを持って来たというのは、朝日自身が紅白という名前を風物詩として借りてやろうとした仕事の一つでもある。しかも、おなじテレビ面で。
これを読んでいないで書いたのだとすれば問答無用だけれど、読んでいたのだとしたら、この文章は恥ずかしくて書けないよな。仕事だと割り切らなければ。そんなことを僕は思ったのでありました。
基本的に、ニュースメディアが書く文章は、鋭く切り込む一方で、常に自らの態度には当てはまらないダブルスタンダードであり続けます。ダブルスタンダードでないようにするためには、自らを清廉にするか、ツッコミを甘くするかのどちらかしか方法はない。そして、本当にちゃんと働いている人なら、実は前者を全うするのはなかなか難しいことは誰だってわかっている。かといって、後者に甘んじたら、ニュースを伝える資格はないわけです。
だから、彼らはダブルスタンダードになる。その中で、自己矛盾にうんうん悩んでいるのか、それとも自らを特権階級として、それがあたりまえだと思っているのか、そこにとても僕は興味があるのです。
翻って、自分の身で考えてみても、人に言えるほどのことをしてきたのか、いろいろ反省の多い大みそかではあります。こういうダブルスタンダードは、マスコミではなくても誰にでもあるもの。
可能であれば、新しい年にはもう少し、こういうダブルスタンダードを「王道な方法で」減らせるような仕事や、子育てや、いろんな暮らしをしたいなと、そんなことを思うワタクシなのです。
一年間、駄文と拙い写真にお付き合いいただいてありがとうございました。
というわけで、最後は、坂を登った先に輝く太陽と、穢れのない新雪の写真で。
みなさん、よいお年をお迎えください。
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