今日は、「油が高すぎて操業できない!」ことへの抗議も込めて、全国で沿岸イカ釣り漁船が操業停止。
それにしても、最近時折思うのですよ。我々が食べているものって、実は安すぎるんじゃないかと。
たとえば、秋に倉庫から収穫直後のお米が盗まれるニュース。そのとき、盗まれた○トン と、被害金額の○万円が、頭の中でうまくつながらないことがあります。「そんなに作って、それだけ?」。だとすれば、どれくらいの量を作らないといけないんだろう。
1粒300円のイチゴなんてものがある一方で、安いものはほんとうに安くなった。僕が働き始めた頃は、マクドナルドでハンバーガーとポテトと飲み物で1000円近くだったし、吉野家の牛丼は500円くらいはしてました。外食産業はこういった洗礼に極端にさらされているところの一つなのだけれど、武器としての安さを手に入れるために、「それを送り出している人が食べられるかどうか」が、必ずしも負担コストの決定ポリシーではなくなってしまった。そこではない別のところでもっと安いものがあれば、そこから買う。買われないと困るから、下げる。そして、ショックアブソーバー的な部分が失われて、今回の原油高のようなコストアップ要因は、そのまま「業態そのものの存在」が問われる事態につながってしまう。
お財布の中身には決して余裕はありません。だから、ものは安い方が助かりますし、高いと買えません。なのに、こういうことを言うのは、かなり無理があると、自分でもわかっているのだけれど、それでもなお、僕らが買っている食べ物は、安くなりすぎてしまったのではないだろうか。そんなことを思わずにはいられない、イカ釣り船操業停止のお話なのです。
註:写真は、ただの姫川漁港夕景のスナップです。映っている漁船もイカ釣り船ではありません。
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