ウチの近所には、糸魚川市のゴミを焼却する施設があります。この施設ができたとき(当時は、糸魚川市、青海町、能生町の一市二町が使う施設でしたが)、地元の人への迷惑への配慮?として、写真の福祉センターが建てられました。ゴミ焼却の廃熱を使ったお風呂と大広間、そして、トレーニングルームとテニスコート。お年寄りがのんびり過ごす場所としても、いい場所だったと思います。
ただ、ここの建て替えの話が数年前から噂に聞こえるようになったとき、不思議に思ったのも事実です。その後、車で5分ほどの場所に旧青海町の総合福祉会館「ふれあい」ができ、ここに小さいながらもお風呂と大広場、運動場ができたし、新しくできた町民プールの中には、トレーニングマシンを置く(はず)の部屋も用意されています。プールは競泳用ですが、床を浅くする施設もあり、近所のホテルのプールでは、民間でアクアビクスのセミナーを長い間続けているグループもある。
お年寄りのひとたちがのんびり過ごす大広間も、公営のお風呂も、アクアビクスなどの水中運動の場所やインストラクターもある中、どうして新しい施設が必要なんだろう。
もちろん、福祉センターはいまだに多くの人に利用されています。トレーニングマシンが並ぶ部屋は、ある種の市民サロンのような交流の場でもある。だから、ニーズはあるのは間違いありません。でも、ほかに類似の施設があれば、老朽化した設備からほかの設備に機能を移すというのは、よくある話です。現に、みつみね荘というお年寄りが集うお風呂と広間の施設は、福祉センターや総合福祉会館で代替されているからと、閉鎖されてしまいます。必ず、その施設があり続けなければいけないというわけでもありません。
・・・という前提のもとにのお話を。
つい先日、広報いといがわに、この福祉センターの建て替え施設の建設を見送ることになったという告知が掲載されました。しかし、建てるということは予算が議会の議決を経ているのに、建てないという減額補正が議決されないうちに決定事項として告知されるのは、議会軽視だ、行政側の議会の権利の侵害だという議会側からの強い抗議があり、市側が陳謝したということがあったそうです。
議会にきちんと検証されるのが、行政の責任だという意味では、行政が議会を軽視した、つまり、「自分たちが決めたことはそのまま実行できる」といういわば無意識の驕りのようなものがあったのだと思います。しかし、その一方で、議会にきちんと諮られること自体が検証になっているのかという疑問もある。それは、結局のところ、なぜこの建物が必要で、どれくらいのお金をかけ、どんな効果があるのか、どういう経緯でそれを検討したのかという部分を、きちんと市民に見せようという姿勢が、行政にも議会にも足りないからだと思うのです。
とはいえ、この件では、パブリックコメントの募集や、その結果と回答の冊子をつくっての閲覧などもあり、大型案件ではどちらかというと、告知がたくさんされた方だと思います。でも、根本の部分の「なぜ必要なのか」「どうしてこの機能を持たせるのか」の部分はあいかわらずよくわかりません。
実際のところ、わかりやすい絵の入ったコンサルタントの資料とか、費用を見積もったものとか、市ではけっこうお持ちです。議員の方たちも、はやい段階で目にされていることが多いはずです。
ならば、最後の議決前後だけでなく、もっとはやい段階から、いろいろと見せてほしい。そこで、一部の人だけでない「市民」の議論が、もっと出てくると思うのです。
作ることのいい悪い、つまり「賛成・反対」以前のこと。僕は、もっと、知りたい。知ったことについて、市民同士で話しがしたい。それに尽きるのです。
最近のコメント