Bridge
親不知遊覧船で、以前紹介した投げ岩と鬼蹴り岩のことが紹介されていました。岩のいわれについては、以前もブログで紹介しましたが、その他にお話がもうひとつ。
「2つの岩、コンクリートでつながってるでしょ?」
よく見ると、確かにそうなんです。沖から見たこの写真では、むかって左側が投げ岩、右側が鬼の足跡も残っているといわれる鬼蹴り岩なんですが、その間が、古いコンクリートで橋のようにつながっています。下の方が浸食されたのか、水が通るようになっていて、まさに、橋のよう。
なんでも、大正の頃にこの集落がここに漁港を作ろうとしたということ。ただ、完成直後に大嵐があって壊れてしまい、今は2つの岩の間のコンクリートだけが、名残として残っているとのことでした。
今の時代的な考え方だと、大国主命とか、鬼とか、そういう伝説がある「貴重な」岩にセメントぶち込んで、漁港にしてしまうというのは、乱暴というか、もったいないというか、そんな気もします。
でも、その一方で。
いまでもなお、魚をとりに船で海に出るというのは、一つ間違えば命にかかわる大変な仕事。それだけに、神がかった、地域の守り岩の内側から出航し、ここに帰ってこよう。そうすれば、なにかが自分たちを守ってくれる。そういう気持ちも、きっとあったのではないかと思ってしまうのです。
前者は、ある意味「観光リソースがもったいない」という考え方でもあるし、後者は自然への畏敬の念を感じる面もある。見方によっては、感じられる人間の勝手さ加減が逆転してしまうなぁ・・・などと、面倒くさいことを考えながら、コンクリートの橋を沖からながめた僕なのでした。
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