« 2007年1月 | トップページ | 2007年3月 »

2007年2月28日 (水)

想像力の入口

Img_8673 昨日の夕方のニュースで、バケツをかかえたニコニコの小学生の姿が伝えられていました。うちの近所の田沢小学校が毎年やっている(もうかれこれ30年くらいやってるそうです。僕らが卒業した直後にはじまったのかな)、田海川への鮭の稚魚の放流です。ちなみに、写真は彼らが放流した鮭ではなく、先日とある水族館で撮ってきたもの。

 秋になると、この川では鮭まつりがあります。こどもたちが川にはいって鮭をつかみどりにし、ちゃんちゃん焼きや鮭汁を大人達が楽しむ。住宅街の中に流れるちっちゃい川だけど、この時、放流に携わった小学生はきっと、僕らのお兄さん、お姉さんが放した鮭が帰ってきたんだなと、きっと思うはず。戻ってきた時の鮭は、それはそれはよれよれで傷だらけです。泳ぐ元気もない。そう感じるほど。そして、11月頃には、力尽きてゴミのようになっている死骸が浮いていたりもする。それを見て、汚いと思わず、お疲れ様と思ったり、涙したりする。そんな想像力の入り口に、この放流授業がなってくれていたらいいなと思ってしまうのです。

2007年2月27日 (火)

木の地図

Img_8760 というわけで、今日は夜の駅前を。

 以前紹介したことのある七福神の像。これがどこにあるかが、この地図には載っています。

 駅から海に向かって200mほど。ちっちゃい公園のところで横断歩道を渡ってすぐ左の壁に、積み木を組み合わせたようにして作った、大きな地図。コイツは、昼間よりも、あたたかめのライトがあたる、夕方のほうが、きれいに見えるような気がします。

 昨日紹介した勾玉やヒスイの原石も、ここのすぐ近く。冬の日本海を見に行く散歩のついでに、ぜひこの地図も探してみてくださいな。

2007年2月26日 (月)

眠る勾玉

Img_8756 そろそろ街頭の灯りも消え始める夜の駅前。まだ19時頃だけど、飲み屋さん以外は、そろそろおしまいの時間です。

 駅から海へ向かってあるく途中に、こんな大きな勾玉のオブジェクトがあります。道の反対側には、薄くカットした大きなヒスイの原石。

 駅前商店街近辺は、雁木通りや小さい公園もあり、散歩してほしいというこのあたりの人の願いがこめられたまちになっています。とはいえ、ついつい車で通りすぎてしまうのだけれど、たまには仕事の帰りにでも歩いて見なきゃ。ということで、数回続けて、夜の駅前商店街近辺の写真を載せてみようかなと思っています。

2007年2月25日 (日)

そろそろピクニック日和?

Img_8615 そういうには、まだ少し寒いのかもしれないけれど、でも久しぶりに美山公園を歩いてきました。

 池ではいつもの通りカモ(例によって鳥の名前を知らないので、間違っていたらすいません)が、人を見ても驚きもせず、潜ってなにかをさがしたりしながらのんびりと過ごしています。もうすこし温かくなって、花見のシーズンになると、彼らにゴハンをあげる花見客もあらわれるので、人を見ると寄ってくるようになってしまうのだけれど、今はまだ、やや野性味も残っている(笑)。

 そろそろ花粉も飛んできて、花粉症持ちにはツラい季節になりつつあるけれど、公園におにぎり持って・・・というのも、そろそろいいのかも。

 いつまでも「今年は暖冬で」と言っている時期じゃなくて、正真正銘の春にさしかかる時期。

 次の週末は、もう3月なんですから。

2007年2月24日 (土)

ここは手厚く

Img_8619 雪国とはいっても、それほどたくさん降るわけではない糸魚川。

 暖冬がこれほどとは知るよしもない去年の秋には、いつも通りの冬囲いがあちこちの庭や公園で準備されたのだけれど、たいていは支柱を建てて何本か雪吊りをするか、回りをぐるっとしばるかする程度。

 ただ、美山公園には数本だけ、しっかりむしろで包んで寒さ対策までした木があります。

 これ、通称「上刈みかん」。なんでも、北限のみかんなんだそうです。北限のみかんをなのるみかんはあちこちにありますが、この「あたり」の緯度が限界線なのかもしれないですね・・・と言いながらもWebを検索してみると、茨城や栃木なんかのみかん園も見つかったりするので、こういった人たちとみんなで「北限みかん線上協会」とかやると、楽しいかもしれません。

 さて。

 糸魚川は、こういったところに比べると、みかん園があったりするわけではないけれど、みかんにとってはこんなに寒いところで、ちゃんと生きているみかんの木を大事にしたいという人たちが、こうやって公園でも特に手厚い冬囲いをしていたりする。そういうところに、この土地を好きな人の愛を感じて、うれしくなってしまうのです。

2007年2月23日 (金)

あえて「軟水」なのは?

Img_8581_1000 よく人に言うと笑われるのですが、実は糸魚川は「ターミナル駅」です。JR北陸本線と、JR大糸線が乗り入れていて、しかも大糸線は終点。信州への起点であり、日本海側幹線との連絡点なのだから、確かに「ターミナル駅」なんですが、今となっては少々むなしい響きも伴います。

 元々、「塩の道」伝承などのように、地政学上の重要地点ではあるけれど、この土地を鉄道のターミナルにするにあたって、かつては大問題があった。それが、「水が硬い」ということなのです。

 昔の列車は蒸気機関車。つまり、水を沸騰させて走るわけです。ヤカンや湯沸かしポットにどんどん石のような湯あかがこびりついて取れなくなるのは、日常茶飯事なこのまちでは、蒸気機関車へ給水ができない。なので、西海の方から暗渠をつくって、水を駅近くまでひいてくることができてようやく、糸魚川が蒸気機関車の基地になることができた。それがなければ、親不知を超えて富山方面と汽車がつながるのももっと遅れたかもしれないし、転車台や検修庫(れんが車庫です)も置かれなかったかもしれない。まちの歴史もまた、かわってしまったかもしれない。そんな意味では、水の硬度ひとつでも、大きな歴史のファクターなのだなと思ってしまうのです。

 ただ飲むだけであれば、適度にカルシウムと炭酸を含んで、いわば天然のミネラルウォーターなこのまちの水。とくに、青海の水はそのまま瓶詰めして売ってもいいように思うのだけど、その一方でこのカルキを嫌って、スーパーでサービスしている「純水」の機械には、いつも行列ができています。水が臭いわけでもないこのまちで、こんなふうになるとは想像もつきませんでした。

 そして、「飲んでおいしいか」とは別の観点で、装置に通す水は、やはり硬度の低い水の方がいいということで、あえて「軟水」が供給される装置がある。これもまた、水道の硬度が高い場所ならではの機械だななどと思った、今日の一枚なのです。

2007年2月22日 (木)

スズナリ

Img_8601 朝起きたとき、「あぁ、晴れだなぁ」と感じるポイントのひとつは、ぴよぴよという鳥の声。窓の外を見ると、青空がひろがっています。

 さて、今日の一枚は、仕事場の駐車場のはしっこの木にとまるスズメ。

 以前カモメの時にも書いたけれど、スズメというのは連中以上に人間に敏感です。車が通りすぎても、重機が大きな音をたてていても(ちょうど、この横では土木工事中なのです)おかまいなしで遊んでいるくせに、もちょっと近くでみようと思って近寄っていくと、というよりも、近寄ろうとおもって、一歩そちらに踏み出したとたんに、飛んでいってしまう。時には、ただそちらの方を向いたり、レンズを向けたりしただけでも。ああいう気配を感じる能力というのは、野生を感じます。顔見ると、のほほんとしてる連中なんだけれど。

 そろそろ、ずいぶん暖かくなってきたし、そのうち出勤は自転車に切り替えようかななんて思い始めた今日この頃なのです。

2007年2月21日 (水)

暮れゆく姫川港

Img_8583_1000 今月は水星と金星のランデブーが楽しめる月なんだそうで、ちょっと気にしていたんですが、車で走りながらだと、なかなか見えないですね。かわりに、暮れゆく姫川港の上に輝く、月と金星を。

 雪が降るかふらないかで、冬っぽさ、春っぽさを感じるのはもちろんなのだけど、雪の量に関係なく感じる季節感のモトといえば、日の長さや太陽が沈む場所。朝は5時頃からうっすらとあかるくなるようになってきたし、終業時刻にはまだ明るさが残っていたりもする(もっとも、その時刻に帰れるかどうかは、また別問題なのですが)。

 そして、だんだんと太陽が沈む場所も、北よりに移動していきます。

 今はまだ、日本アルプスのはしっこに沈んでいる夕陽が、やがて日本海に沈むようになる。

 そのころには、もうすっかり春なんだろうな。そんなことを考えながら眺める夕陽なのでした。 

2007年2月20日 (火)

ヒヨ

Img_8555 庭木の細い枝に、いつもよりちょっと大きな鳥がとまっていました。例によって名前は知らないので、家人に聞いたところ「ヒヨドリ」とのこと。それなら、名前は知っている(笑)。鳥に限らず、文字で知っていても、見てわからないものが僕は多いので、いろんなことが血肉になってないなぁとこんなところでも感じてしまうのです。

 写真には撮り損ねたものの、近くの枝にウグイスらしい緑色の小鳥も発見。思っていたよりもずっと、ウチのまわりには~つまり糸魚川というまちには、いろんな鳥がいるらしいです。

 そんなわけで、鳥をみつけると、撮りたくなってしまう。最近はそんな日々なのです。

2007年2月19日 (月)

実は工事中

Img_8574 うっすらと煙るようなもやの中、まちの全景を見るならここかなと思って、美山公園に行ってきました。ここにある大きなタンクは展望台になっていて、上にのぼると市内全景が見渡すことができ・・・と思っていたら、なんと長期工事中で立ち入り禁止でした。

 今月いっぱいくらいは立ち入り禁止だそうで、そのあとまた展望台にも入れるようになるのかな。

 写真は、雨上がりの木のしずくにうつる給水タンク展望台です。

 思えば、花見で美山公園にいくことはあっても、長いことこの展望台にはのぼったことがありませんでした。案外と、僕らは身の回りのいろんな場所のこと、日々気にしてないんだな。きっと、これが突然なくなったとしても、何年もたってから、突然気の迷いで行ってみようと思ったときにはじめて気が付くだけなのかもしれないな。そんなことを、帰り道に横を通った次郎太郎池を埋めた跡でも、感じたりしたのでした。

 さて。

 この日、展望台界隈で妙に目に付いたのが、捨てられている某世田谷区議の名刺。あっちこっちにずいぶん散らばっていたけど、どういう経緯で糸魚川の小高い公園の落ち葉の上に、何枚も何枚もその人の名刺が落ちてたんでしょうか。興味をそそられます。

2007年2月18日 (日)

きざし

Img_8551_1000 これだけ冬らしくない日々が続いていると、なにも春のにおいなんて探し回らなくてもいいような気もする。するのだけれど、でもやっぱり、「あっ」と思う瞬間はあって、そういう時には、うれしくなってしまう。これも、長年雪国に暮らしたサガなのかもしれません。

 というわけで、今日は庭木の枝にほんのすこし顔をのぞかせている新芽を。この葉っぱ、わずか2mmほどのちいさなちいさなものです。全体としてはまだまだ眠っているような雰囲気の枝のはしっこで、ごくごくひかえめに「でも、そろそろ春、みえてまっせ」と自己主張している葉。日々こういうものを見つけながら、もうじきくる春を待ち焦がれる。それが、僕らにとっての冬の日々。

 ニュースでも、白鳥が北へ帰り始めたなんてたよりが伝えられるようになってきて、春の足音が聞こえてきました。ホントにこれでいいのかなとも思うのだけれど、温暖化といっても去年のような年もあることだし、振幅がおおきい時期というだけのことなのかもしれないな、とも思ったりしています。

2007年2月17日 (土)

ふと気づくこと

Img_8521_1000 もう一つ、先日の出張の日の話を。

 糸魚川駅は、東京や大阪方面へ出かける人向けに無料の駐車場があります。駅で往復の切符を買うと、駅のすぐ近くに車を止めていける。直江津駅や長野駅だと、これが「1日○円の割引駐車場」になってしまうので、ビバ!田舎町といった感じなのです。

 さて。

 指定の区画に車を止めてふとバックミラーを見ると、雪がちらつくレンガ車庫。思わず、1枚撮ってしまいました。

 レンガ車庫は、とても貴重な建物なのだけれど、今ひとつ市内での知名度が低い。それは、この建物が駅の立ち入り禁止エリアの中にあって、みんなが自由に出入りして、使える場所ではないということが大きい。だから、日々の生活の中では「ある」ということ自体、あまり気にせずにすぎてしまうのだけど、意識していると、案外と視界のあちこちに入ってきているんだな、と。

 しばらく見ていたら、電車に遅れそうになり、あわてて駅へと走っていったら「強風のため、到着が40分ほど遅れております」のアナウンス。助かったと思ったら、その電車も結局2時間以上の遅れになってしまいました。こんなことなら、ついでに雪のちらつくレンガ車庫をあちこちから撮っておけばよかったなんてあとになって後悔。

 なにせ、今年は雪景色は、貴重な機会ですから。

2007年2月16日 (金)

風やどり

Img_8516_1000 そんな言葉があるかどうか知りませんが、突然の通り雨に軒下に走り込む雨宿りのように、風が吹き荒れた昨日の朝は、家と家の間の空き地に生えた小さな木のところに、小鳥たちが集まって、風をよけていました。写真は、ウソのつがい(かな?)です。

 なにせ、姫川橋のところでは風速25m/秒を超える、電車が止まるほどの強風。僕も日帰り出張で東京にいくはずが、越後湯沢まで行くのに予定の2倍以上の時間がかかり、結局途中で引き返してきてしまいました。

 海岸沿いの国道を走っていると、波のうねりの大きさがいつもとあまりにも違うのに驚かされます。強風、侮りがたし。

2007年2月15日 (木)

ちょっとちょっと

Img_8512_1000 2月も半ばなのに、朝起きたら急に降ってきた雪に「雪だーっ」と子どもが大喜びするというのは、どうなんでしょうか。

 「写真、写真」とせがまれて、屋根の上の白いつぶつぶの写真を撮るバカ親(笑)。しかし、すぐにあたたかい屋根の上で透明な水へとかわっていくのでありました。

 寒い寒い日に、六角形の結晶をきれいに残す雪粒の写真とか、撮りたいなぁ・・・。

 ちなみに、このわずか30分後。もう屋根はしっかり乾いてしまっているのです。いやはや。

2007年2月14日 (水)

海が見える展望台

Img_8437_1000 糸魚川に来てくれるひとが楽しみにしているものは、うまい魚であったり、海釣りであったりと、海にかかわる部分であることが多い。なのに、実は糸魚川駅で電車をおりた人が、海にむかって歩いていっても、あまり「らしい」海にたどり着くことができません。

 なんとか、海を見てもらおう。そんなわけで、元々あった地下道の出口の上に、展望台がでっちあげられたのが、数年前。正直言って、「なんでこんなもの作っちゃったんだろうなぁ」という見かけだったこともあって、今までのぼってみたことありませんでした。

 久しぶりの一日の休みに、寒風吹きすさぶ中、上ってみたのだけど、案外といい眺め。海は見慣れたものだけど、風にのって、どんどんと飛んでいくカモメを眺めているだけでも、案外と楽しい。中には、田んぼにちょこんと座るカモみたいに足をしまっていたり、うねりにうねる海面で、まるで小さな湖に浮いているかのようにぷかりと浮いているカモメは、ずいぶんとほほえましい感じなのです。

 ここの展望台にわたる地下道の入り口には、昔喫茶店とかに置いてあったようなノートがぶらさげてあって、いろんな人がいろんなことを書いています。中には「長野から来ました。テトラポットだらけじゃなくてきれいな砂浜を」なんて書き込みがあったりして「じゃあ、上流の砂防ダムやめてから言ってください(笑)」なんて思わずつっこみそうになったりもしましたが、一番感じたのは、糸魚川自動車学校で合宿教習を受けている若い子たちのバイタリティの豊かさ。なんにもない田舎まちにやってきた連中が、「でも、できる限りここで遊んでやろう」とあっちこっちに顔を出す元気に脱帽なのです。そういえば、最近話題のソーシャルネットワークサービス、mixiでも、糸魚川自動車学校の合宿の同期の人たちが集まるコミュニティがいくつもあって、「あの糸魚川の数週間」をいとおしく思ってくれる人たちがどんどん増えてきている。それは、案外とうれしいことだな。そう思うのです。

2007年2月13日 (火)

テイクオフ

Img_8506_1000 海にぼーっと立ちつくしている連中は、車がおおきな音をたてても平気。なのに、人が近づいてくると、ちゃんと気づいて逃げていきます。人の気配と機械の音って、彼らにとってはちがうんでしょうか。

 こちらの様子をうかがって、一度翼をひろげかけて、また「やっぱり大丈夫だな」とか思って納めてみたりとか。その様子を見るのもおもしろいです。

 砂浜を歩くと、案外どこでも連中はいます。この写真は先日の筒石の海の公園のあたりの浜。でも、百川のあたりの海水浴場あたりにも、能生川の河口あたりにも。のんびりと見てみる休みも、楽しいかもしれません。

2007年2月12日 (月)

甲斐ない設備

Img_8509_1000 雪国でよく見るこんな消火栓。

 こんなに背が高くて、しかもホースをつなぐ場所が2つあるのはなぜか。それは、雪がたくさん降ると埋まってしまうからなのです。「消火栓」の文字が全部埋まるくらい降ってしまっても、その上のクチにホースをつなぐことができる。縦長の信号機などと同じで、雪国ならではの形なのです。

 しかし、まわりに雪は全然なし。となりにある雪は、駐車場のはしっこによせた除雪あとの山が溶け残ったものなのです。

2007年2月11日 (日)

つぶら

Img_84962 そうは言っても、寒い中がんばって撮ってきたので、昨日の海の写真をもう一枚。

 鳥って、なにか見てるとずーっと身じろぎもしないでなにかを見つめてるけど、なに見てるのかなと思うことがあります。

 まっすぐ立っているのがしんどい海風の中、足下に押し寄せる波もそっちのけで、じっとどこかを見てる。そのおかげで、撮っている自分のことに気づかない(ことにしてくれている)のだけれど。

 時々、こういう鳥たちの顔を見ると、連中僕らよりずっと賢い哲人なんじゃないかと思ってしまう。僕がなにか物思いにふけりながら遠くを眺めていても、こんな詩的な顔は決してしていないはずだから。

 男は40になったら自分の顔に責任を持てなんてことを言っていた人がいたけれど、今月もう一つ年を取ると、またその年齢に近づいてしまう。もう少し、賢くなりたい。そう願う日々なのです。

2007年2月10日 (土)

アゲインスト

Img_8461_1200 風の強い日は、海鳥たちがちょっとうらやましいと思うことがあります。ほとんどはばたかないで、強いアゲインストの風にのってグライダーのように空をすべったり、まるでホバリングのように同じ場所にうきあがっていたり。

 でも、こんなことを言うと、「寒いし大変なんだぞ」とか、連中に怒られてしまうかも。

 この場所は、筒石の海岸の公園。今日はたくさんのカモメたちがうろついていました。車でいつも横は通るのだけれど、止めて降りてみたのは初めての場所。なんで寒くて風の強い日にそんな気分になったかというと、ここのちょっと手前、道のすぐよこの波返しの上にちょこんと一羽のカモメが立って、車を見ていたから。びゅんびゅん走る車と同じ高さ。わずか1メートルほどしか離れていない場所で、恐がりもせず、車を見ている鳥をまじまじと見てやろうと、Uターンのために入ったらそこにもカモメがたくさんで、そのまま少し撮ってみることにしたのです。

 完全防備で釣りするひとの横で、カーディガン一枚でふるえながら写真を撮るオヤジ。僕も、道路を行きすぎる人から見ると、十分ヘンなヤツだったんじゃないでしょうか。

2007年2月 9日 (金)

雪が降るということ

Img_8409_1000 雪が降ると、僕等の生活はいろんな意味でかわります。雪がふらない時ならやらなくてもいい除雪。朝はすこしはやめに余裕をもって出かけないと間に合わない。ちょくちょく買い物しなくてもいいように、すこし買いだめでもしようか・・・。

 いろいろありますが、雪が降るということの一つの面として、「閉じこめられる」というものが、確かにあるように思います。

 雪が降り出すと、行動範囲が狭まり、ある種のことをしないようになり・・・そして、雪が溶けることで、それが解き放たれる。どこかへ出かけてみようかなと思ったり、なにかちょっと面倒くさいことをやってみようかと思ったりする。春風に誘われて・・・というほどでもないか(笑)。

 昨日はとてもよくはれた、あたたかい日でした。朝散歩していると、ちょうど粗大ゴミの日。おじいちゃんが車に古いストーブを積んできて、ゴミ捨て場に置いていきました。

 まだ2月。いつもならまだまだ冬将軍閣下が大活躍しているこの時期なのに、妙に違和感のない風景に、我ながら驚いてしまいました。古いストーブを、いい時期だから処分しなくちゃと思う。それもまた、雪から解き放たれて、春を感じるときに、やろうかなとふと思いつくことなのかもしれませんね。

 そんなこんなで、文字通り、立春を過ぎた日々です。

2007年2月 8日 (木)

角の前川さんち

Img_8407 朝新聞を見ていたら、今日からひさしぶりにまた「ひとつ屋根の下」の再放送がはじまるようです。

 江口洋介主演で、のりピーとか、福山雅治とか、いしだ壱成とか、豪華メンバーだったこのドラマ、終盤で酒井法子演じる「小雪」が本当の母を捜してやってくる北陸の町が、実は糸魚川でした。この写真は、小雪の母(と再婚後の家族)が住んでいることになっていたアパートの横から見る海です。

 このドラマを見ていた人は、「角の前川さんちの犬は~」と江口洋介の「あんちゃん」が言うシーンを思い出す人、多いんじゃないでしょうか。角の前川さんはお金持ちで、犬にもいいもの食べさせてる。そんな話をしながら、プリンのとりあいでとっくみあいのけんかをしたりする。けっこう重たいけれども、ほほえましいお話でした。

 風吹ジュンと安達祐実が住むこのアパートの名前は、実は「前川荘」。それもこれも、横を流れる川が「前川」だからだと思うのですが、このあたり、ロケハンに来た人は偶然の一致ににやっとしたかもしれないなと思ったりもします。

 さて。

 川の向こうに見えるのは、水門です。波が高かったりすると、川がちゃんと流れないで逆流してしまう。だから、ちいさい川の河口にはこういう水門がけっこうあるもの。そういえば、昨日の夜のニュースになっていた、長野の「脱ダム転換!」の現場、浅川も、千曲川との合流点はこんな感じで水門があり、排水ポンプがあったりするところ。

 こういうものを見ると、昔から「どうにかしたい」と強く願った人がいろんなことをやってきたということに、頭が下がるのです。僕らは、そのやり方がまちがっていたとしたら、よりいいやり方を探さなくてはいけないと思うけれど、かつての問題解決に携わった人たちのすべてを否定するようなことはしてはいけない。半ばヒステリックな脱ダムの運動を見ると、そんなことを思ったりもするのです。

2007年2月 7日 (水)

魚や

Img_8397 そういえば、八百屋さんというのは、あまり見かけないうちの町ですが、魚屋さんはまだまだあちこちにあります。

 スーパーにいくと、肉の売り場と魚の売り場の面積比の違いは土地柄が出ておもしろいもので、長野にいくと魚の売り場が目に見えて狭くなるし、糸魚川ではスーパーでもごく普通に、パックの魚をさばいて刺身にしてくれるサービスがあったりします。

 そして、今日の写真は、とある魚やさんの店先のもの。ちょうど今が旬の鱈が何本か干してありました。干物工場というほど大規模じゃない。魚やさんが「ウチの魚」で、ちょっとだけ作る干物。これが、なかなか名人芸だなぁと思うことが多い。ウチの近所のちいさい魚やさんも、店先のカゴの中で、ゲンギョや鱈、メギスなんかを干していて、それがよくウチの夕ご飯に並びます。

 昔は、魚やさんに限らず、どんなお店でもこういうことやってたんだろうな。ちょっと懐かしくて、いつまでも残ってほしい風景なのです。

2007年2月 6日 (火)

まくまめ

Img_8389 文字通り立春。そんな春みたいな青空の日々ですが、今日はちょっと遅ればせながら、節分のお話を。

 節分といえば、豆まき。うちでも、コドモがこたつの上に乗っかってまめをまきました。僕がコドモの頃は、お膳の上にのぼると祖父からものすごく怒られました。雪の上に放り出されて鍵かけられたり、地下に閉じこめられたり。大声で泣いても、ちゃんと「ごめんなさい」を言って反省しないとだめ。それはそれは徹底していたけれど、この日だけは大いばりでお膳(掘りごたつだったけど)の上に乗ってもいいことになっていて、それが楽しみで節分の日を待っていたものでした。

 そして、その伝統はコドモにも受け継がれ、いつもはのっかるとこっびどくしかられる場所に乗ってもいいよと言われて、最初はおそるおそる。でも、そのあとはニコニコで「鬼は外!」。これから数年は、彼女の2月だけの楽しみになるのかもしれません。

 さて、話は、まく豆のこと。

 僕は、つい最近まで、節分にまくのは落花生だと信じて疑いませんでした。今年も、升のかわりの五味太郎さんの絵がかかれたきびだんごの箱に落花生をもりあげて、豆まきをやりましたが、全国的には煎り大豆などの方が多いとのこと。こういうところにも、お土地柄が出るんですね。他には、どんな豆をまくところがあるんでしょうか。そら豆まいたり、スナップエンドウまいたりするところもあるのかな。ご存じの方おられたら、ぜひ。

2007年2月 5日 (月)

暖冬

Img_83611 朝は今ひとつ不機嫌だった空も、次第に晴れ渡り、明るい青になった日曜日。それなりに降ったはずの雪もすっかり消えてしまい、車庫の屋根から滑り落ちた雪がすこし残るだけの庭で、無理やり雪をかき集めて、ちいさなかまくらをつくりました。

 子供は大喜び。なんとか1メートルほどのたかさにできたかまくらの回りは、季節柄茶色に枯れた芝生が広がっています。

 さんさんと光る太陽。ぽかぽかとあたたかい日なた。そして、半径2mのちいさい冬の印。

 かまくらを作る親はサンダル履きで、家から出てきたはんてんのまま。だけど、「雪であそぶぞ!」な気分満点の子供は、しっかりスキーのかっこをしてスコップ片手に走り回る。雪が楽しくてはじめて雪国のコドモなのだから、こういうときにこにこして遊んでくれるのは、親としてもとてもうれしい。で、なんとか少ない雪をかき集めて、おそらくは翌日訪れる腰痛に悩まされることになるのかも。

 どこか「東京ドーム観光イベント」みたいな無理やりなかまくらなのだけれど。

 でも、暖冬とはいえ、確かに冬しかできない遊びなのです。

2007年2月 4日 (日)

通り過ぎた雪

Img_8316 金曜日の夜にはホワイトアウトするかと思うくらい降っていた雪も、実はあまり積もらずに終わってしまいました。そして、翌日はとてもいい天気。あっさりと溶けてしまい、路肩に雪が積んである以外は、先週までと似たような様子になってしまいました。

 夕方、NHK教育テレビでは「どこかで春が」を菜の花の映像とともに流していました。でも、それに違和感を感じない日々。うーん、暖冬だ。

 そんなわけで、あまのじゃくな僕は、もう少し冬らしい写真を載せてみることにします。

 今日の写真は、ホテル糸魚川前の温泉が吹き出しているところ。ぼこぼこと噴出しているお湯が、時折高く吹き上がります。かなり熱いお湯なので、近くに行って手を入れたりはできません。なにせ、90度くらいあるそうですから。

 寒い日、雪がふるなか、もうもうとあがる湯煙。寒いのも忘れて、しばらく見とれてしまいました。日頃とはちがうこの姿。温泉は、やっぱり雪が似合う。そう思ってしまうひととき・・・だったなぁ。

2007年2月 3日 (土)

はたらいてきました

Img_8308_1200 一月ぶりくらいの雪。

 たいした量ではないけれど、それでも、まちのあちこちで、除雪車をみかけます。

 そして、れんが車庫で準備万端のまま、あくびするほど待たされていた除雪車も、一働きしてきたようです。

 両脇に雪をどけるタイプは、単線専用。なぜなら、上りと下りの両方の線路があるところでコイツが除雪していくと、反対側の線路に盛り上げてしまうので。だから、きっと大糸線の除雪のあと。

 久しぶりの長靴。ひさしぶりのスコップ。

 「降りましたねぇ」
 「これくらい、当たり前なんですけどね」

 あちこちでの会話も、まだそうはいやがっている様子でもない。

 冬に痛めつけられるのはもちろんいやだけれど、冬の仕事というのを全然やらないのも、違和感がある。そんな感じは、みんなが感じることなのかもしれません。

 日曜日、コドモと一緒に雪だるまをつくるほど、残ってくれるといいのだけれど。

2007年2月 2日 (金)

あたりまえの風景

Img_8284 1月末に新潟市内で積雪ゼロというのはこの100年ではじめてだ。糸魚川市内でも、半ば野生化した露地のイチゴに花が咲いた。そんなニュースが流れていました。

 平地では、ホントに雪がなく、スタッドレスタイヤをノーマルタイヤに戻したひとが自慢しているような、そんな冬。

 確かに、朝除雪車が通った音で「あぁ、車庫の前の雪壁を壊して車出せるようにしなきゃ」と恐れおののかなくてもいい日々は快適なのだけれど、でもやっぱりなにか物足りない。

 だから、昼間にこれだけ雪が降っていると、ちょっとうれしかったりもする。思えば、毎年冬のはじめの頃の、1回目や2回目の雪は、わくわくするのだけれど、その気分をようやく2月にして感じる。不思議な感じです。

 コドモは雪だるまが作りたいと毎日のように言っています。生活に困らない程度の雪。降ってくれないかなぁ。

2007年2月 1日 (木)

爽健美茶

Img_8272 のすぐ横に立つ鷺(かな?)。

 コイツは、海川ちかくがねぐらなのか、河口のあたりだったり、糸魚川高校のあたりの川の真ん中の石だったりに、時々ちょこんと一羽で立っています。

 立っているときは、コイツはうろうろしない。ただじーっと同じ場所に立って、どこかを見ている。人が近づくと、さっと飛び立って逃げてしまうのだけれど、またしばらくすると、近所にやってきて、立っている。

 ヤツがいなければ、僕もここをじーっと見ることもなかっただろうと思う。だから、ヤツがいてくれたことは、ありがたいと思わなければいけないのかもしれないね。

« 2007年1月 | トップページ | 2007年3月 »