ランドマーク
合併で「青海町」という名前が消えるまで、僕ら町民にとっての町のランドマークは、黒姫山でした。
糸魚川市となった今は、ヒスイであったり、紅ズワイガニであったり、いろいろな市の顔を持つことができたけれど、でも、未だに、黒姫山の顔を見るのは好きな僕です。
この山は、薄皮一枚分だけ土で、その下はかつて海中に堆積したフズリナたちが変化した石灰岩の巨大な固まり。地面よりもはるか下まで、石灰岩なのだそうで、とてつもなく広く深い鍾乳洞なんかもある。ただ、それが横に広がるのではなく、どんどん地中へと潜っていくような形に広がっているので、みんなが気軽に見に行くことは、難しいそうなのだけれど。
そして、この岩を掘って、セメントとか、カーバイドとか、いろんなものを作る元にもなっている、ウチの町のお財布みたいな山でもあります。オヤジが石灰岩を原料として取り扱う会社に勤めていたのだけど、前の工程で焼かれてからやってきた石灰石の中に時々見事な化石があるのに、焼かれているのでさわると崩れてしまうのがもったいないなんて話しを時々してくれたのを思い出します。
今日のように、空がどんよりと曇っている中、空が一カ所だけ空いて、山だけがきれいな銀の雪色に照らし出される朝は、出勤途中に思わず見とれてしまいました。
自分の町に、自分の好きな風景があること。それって、とてもうれしいことだなと思うのです。
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