空を、すべる
あんまり天気がいいので、そらをぼーっと見上げていたら、気持ちよさそうに、鳥が飛んでいきました。ずいぶん高かったし、そうじゃなくても、カラスとスズメくらいしかわからない僕には種類はわからないんですが。
空を飛んでみたいという気持ちは、小さい頃から何度か持ったけれど、ばたばたとはばたく鳥には、なぜだかあまりあこがれませんでした。いや、憧れないというと、嘘になってしまうのだけれど、あまり、気持ちよさそうに見えなくて。いわば「生活の『飛び』」ってやつでしょうか。
でも、グライダーのように空を滑空する連中のことは、いつもいつもうらやましかった。なにせ、本当に気持ちよさそうで。
雲一つない青い空の高いたかいところを、すうっと風にのってすべっていく。
連中には連中の苦しさも、悩みもきっとあるのだろうけれど、あんな風に空をすべることができたら、きっと僕のしんどさがいくらかか軽くなるのだろうな。その分、連中は僕ら人間のように、いつでも食べられて、暖かい部屋で眠ることができる生活を、脳天気だと思うのだもしれないけれどね。
でも、やっぱり思う。空を、すぅっと。一度、すべるように飛んでみたいな、と。
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